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マイナンバー(個人番号)制度によって起きる外国籍住民*1に対する人権侵害(差別)は、放置されるのか?

更新日:2023年4月19日


株式会社 PUTZ Network プツ・ネットワーク
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マイナンバー制度は、行政を効率化し、国民の利便性を高め、「公平・公正」な社会を実現する社会基盤です。


しかし、そんなマイナンバー(個人番号)制度(以下は、マイナンバー制度とする。)が現時点において不公平であるとしたら皆様どう思いますか?


マイナンバー制度は、今後日本においてグローバル化や国際化が進むにあたり必要不可欠な制度ですが外国人の扱いに慣れていない日本だからこそとある大問題が発生しています。それは、「マイナンバー(個人番号)制度によって起きる外国籍住民*1に対する人権侵害(差別)」であります。

*1 在留期間更新手続きを必要とする外国籍住民に限る。


マイナンバー制度は、2015年(平成27年)10月中旬から個人への交付が開始され、翌年2016年(平成28年)から本格的に運用がスタートされました。マイナンバーカードは、2016年(平成28年)1月から交付開始されました。


制度開始当初には、個人番号通知カードという証明書も発行されていますが令和2年5月25日に廃止されたため、再発行はできません。マイナンバーを確認や証明するためには、マイナンバーカードを取得するか、またはマイナンバーが記載された住民票の写し、もしくは住民票記載事項証明書を取得しなければなりません。


「番号法」では「政令で定めるところにより、住民基本台帳に記録されている者の申請に基づき」発行されることになっています(16条の2)。カードを取得するかどうかは本人の自由で、義務ではありません。同法では、行政手続きにおいてマイナンバーの提供を求めることは、原則禁止されています(第15条)。カードを取得していても、「いらない」と思えば、いつでも住所地の市町村に返納することができます(同法施行令15条の4)。


そんな中で政府は、健康保険証を2024年秋に廃止し、マイナンバーカードと一体化することを発表しました。 運転免許証との一体化の時期についても、予定していた2024年度末から前倒しする方針も示しています。


ここまで確認出来る通り、マイナンバーカードは義務化されていないが事実上の義務化となっています。


ここで、勘違いして欲しくない点があります。マイナンバー制度やマイナンバーカードの事実上又は実際に義務化に反対する運動が多い中で私個人としての意見は、反対ではないという立場です。ただし不公平部分は、至急に改善が必要であると思います。


さて、マイナンバー制度によって在留期間の更新を必要とする外国籍住民に対し起きている人権侵害である差別がどの様にして起きているか説明します。


マイナンバーカードの有効期間は、発行日から10回目の誕生日(未成年者は5回目)まで、電子証明書の有効期間は、年齢問わず発行日から5回目の誕生日までに設定されています。

有効期限を迎える方に対し、有効期限の2~3ヶ月前を目途に有効期限通知書が送付されます。更新にかかる手数料は、無料とされています。


有効期限通知書は、マイナンバーカードと電子証明書の両方またはどちらか一方の有効期限をお知らせするものとなっています。「有効期限が到来するもの」欄に有効期限が近付いたものが記載されています。更新可能期間は、有効期間が満了する直前の誕生日の3ヵ月前からとなっています。


ただしこれらの決まりは、在留期間の更新を必要とする外国籍住民全員(以下は、外国人とする。)を対象としておりません。


外国人のうち、永住者、高度専門職第2号および特別永住者については、マイナンバーカードの有効期間は、日本人の場合と同様に発行の日から10回目の誕生日までとなります。

(これらの者には、在留期間の定めがない事から以下は日本人等とします。)


一方、永住者、高度専門職第2号以外の中長期在留者(在留期間は最大5年)や一時庇護許可者又は仮滞在許可者等については、在留資格や在留期間がありますので、その状況に応じてマイナンバーカードの有効期間も異なることとなりますが、これらの方々については、申請に基づき、マイナンバーカードの有効期間を変更することが可能となっております。


つまり、それらの者のマイナンバーカードの有効期限は、在留期間と同じ期限にされており、有効期限通知書が送付されないという事になっています。


マイナンバーカードを取り巻き、日本人等と外国人の間での違いは大きく分けて二つです。

・マイナンバーカードの有効期限

・マイナンバーカード有効期限通知書の有無


少ない違いですが外国人にとって大きな人権侵害となってしまっており、健康保険証がマイナンバーカードとの一体化が進んだ後の廃止でそれらの外国人に尋常ではない程の損害を押し付けてしまいます。


例えば、日本人等の方々にとってマイナンバーカードの有効期限切れによるカードの有効期限更新は、簡単に言えば10年毎になります。


外国人の在留期間は、大きく分けて3ヶ月から5年になります。その中で、様々な条件によって3ヶ月、4カ月、6ヶ月、1年、3年、5年と期限が異なっており、上記に記載してある通りこれを理由にマイナンバーカード有効期限通知書が送らない事にしているでしょう。


また、在留期間に合わせてある事で、自身の在留期間の更新をするタイミングでマイナンバーカードも更新すると覚えられるので、余計に必要ではないと感じられるでしょう。しかし、マイナンバーカード有効期限通知書には、マイナンバーカードの有効期限を知らせるのみの重要性がある訳ではありません。


外国人のマイナンバーカード有効期限については、総務所からの指示が次の通りとなっております。


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マイナンバーカードを発行したタイミングでこれを知っている外国人が非常に少なく、カードが失効してしまうケースが多くあります。マイナンバーカード有効期限通知書を送付しないという姿勢の中でこの重要な内容を伝えようとする様、最大限努力しているとはとても言えないのではないでしょうか?


しかも、こういった場合でカードが失効となった外国人においては、原則としてマイナンバーカードの再発行しかなく、発行手数料が無料ではありません。


尚、いかなる理由においてもマイナンバーカードの有効期限内に手続きが必要であることから特例期間延長業務があります。


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なお、在留期間更新手続きを行った場合には、出入国管理局が在留期間内に確実に手続きを完了させるという保証がありませんので在留期間の特例があります。しかし、それに当てはまるかなってみないと分かりませんので安全を取るのであれば事前にマイナンバーカードの特例期間延長業務で期限を一度延長し、在留期間の更新後に改めてマイナンバーカードの有効期限更新手続きを行う必要があります。よって、1回の在留期間の更新手続きでマイナンバーカードの有効期限更新手続きを2回行う必要があるという事になります。その上で、マイナンバーカードの有効期限更新手続きを行う度にそのマイナンバーカードの記入欄にその旨の記載がされます。多く見積もって4回程しか記載が出来ない為、2回の在留期間の更新手続きでマイナンバーカードの再発行の手続きを1回行わなければいけないという事になります。この場合の再発行手数料は、無料になりますが手元に届くまでに1ヶ月程かかると言われています。


在留期間が5年の外国人であれば、10年間の中で2回の在留期間の更新手続きをし、4回のマイナンバーカード期限更新手続きを行い、1回のマイナンバーカード再発行を行う計算になります。在留期間が1年の外国人であれば、同じく10年間の中で10回の在留期間手続きをし、20回のマイナンバーカード期限更新手続きを行い、10回のマイナンバーカード再発行を行う計算になります。在留期間が3ヶ月の外国人の場合は、考えたくもありません。


外国人は、観光などを目的にする方を除き、住民基本台帳に記載があり、会社の健康保険に未加入の方は国民健康保険に加入する義務があります。 また、入国の際に日本に滞在する期間が3か月以下であっても、その後に3か月を超えて滞在する事が認められた方は国民健康保険に加入する義務が生じます。


健康保険証が2024年の秋に廃止され、マイナンバーカードと一体化した時に過剰なマイナンバーカード再発行手続きによるマイナンバーカード未携帯(再発行手続き中に新たなカードが届くまでの間。)で病院にかかった際、料金を100%支払う事になってしまいます。


人権侵害である差別行為が成立する為には、その行為を行っている者・機関・制度等が差別行為を行おうと意識的に行う事が条件ではなく、結果で成立します。


ここまでわかる通り在留期間の更新を必要とする「すべて」の外国人が差別によって人権を侵害されています。


求めるは、マイナンバー制度、マイナンバーカードの廃止などではありません。また、健康保険証の廃止後のマイナンバーカードとの一体化の取りやめでもありません。制度の再検討により在留期間の更新を必要とする外国人全員が抱える人権侵害の改善に過ぎません。


どうか、然るべき機関に見て見ぬふりをしないでいただきたい。


そう思い、自分自身が一個人として出来る最大限の事をやってきたつもりでいます。


健康保険証の廃止・マイナンバーカードとの一体化を除き、これらの問題に気付いたのは2020年の4月頃でした。妻の在留期間の更新に際して、たまたまマイナンバーカード期限内に在留期間の更新が完了され、無事マイナンバーカードの期限更新手続きが済みました。ですが、日本人等に比べ何度も手続きをしなければいけない事に対し不満に感じ、クレームとして伝える事を決意しました。その当時、インターネットでマイナンバーカード総合フリーダイヤル(0120-95-0178)に辿り着いて電話をし、上記に説明した内容をクレームとして伝えるつもりでした。しかし、クレームを受け付けられる専用窓口がなく、クレーム内容をお伝えした後にクレームを入れる為の窓口の案内をお願いすると窓口の担当の言葉が次の通りとなりました。


「貴重なご意見として上席にて上申させていただきます。」


マイナンバーカード総合フリーダイヤルは、説明に特化したダイヤルであり「然るべき機関」とは言えません。そこにクレームを入れたとしても、然るべき機関に届くという保証がなく、然るべき機関がその事実について問われてしまった時に「聞いておりません。」と言える逃げ道を作ってしまうからになります。


上席に上申するだけでは、不十分と思うので自分自身で然るべき機関に直接クレームを伝えたいと思っています。自分のできる範囲としてインターネットで調べましたが見つからずに困っています。そちらであれば然るべき機関が分かると思いますので担当窓口を教えていただきたいのですがと言ってみたところ次の回答をいただきました。


「上司に確認をいたしましたところ、やはり、その様な窓口を設けていなくってですね、私の方でしっかりとご貴重なご意見として上申させていただきます。」


不本意ながら、仕方がなくそのままクレームを伝えさせていただきました。もちろん、ここでクレームを扱う専用窓口の無さも含めクレームとして伝えました。なぜなら、クレームをきちんと受け付けないという姿勢は、対応をしないに等しいと思うからである。


2021年の9月頃には、息子のマイナンバーカードでカードが失効する事態になってしまいました。その時は、特例期間延長業務について知っており役場の担当窓口に手続きをお願いしたところ、その様な手続きがなく在留期間の更新が完了してから手続きに来てくださいと言われました。変だと思いながらも指示に従いました。結果、在留期間が特例期間に入ってしまい、マイナンバーカードの期限が切れてからの手続きとなりました。当然ですが更新が不可能と言われ、在留期間期限内に来るべきだったと指摘されました。だから特例で延長をしようとしたと怒ると担当者がしっかり調べをし自分の間違いに気が付きました。結果として再発行をしなければいけない事が免れませんでしたが手続きは、無料でやっていただく事になりました。


再び、その様な事態に遭遇しなければいけない事に怒りを感じ、その窓口にクレームを伝える為の窓口を尋ねました。案内されたのは、2020年の時と同じマイナンバーカード総合フリーダイヤルでした。


あれからクレーム窓口が出来たかもしれないと期待をもって電話をしてみましたが全く同じ結果となり、上席に上申していただくと信じざる得ない状況に再び追い込まれました。


そして、2023年の4月、妻の在留期間更新から3年が経ち、再び在留期間の更新をする事になりました。再びマイナンバーカードの期限の特例期間延長業務のお手続きを行ってもらいました。妻の延長手続きが無事に出来たものの本人による手続きではなかった為、署名用電子証明書の更新ができませんでした。よって、後日、妻本人に手続きに仕事を休ませなければいけない事になりました。また、義理の妹の場合はマイナンバーカードに記入する欄がいっぱいであり、特例期間延長業務のお手続きを行う事が出来ず、再発行の必要がでました。しかし、期限が1カ月未満の場合には、再発行のお手続きの受理ができません。無料で再発行をするためには、期限内に再発行のお手続きを行いますが実際に手続きが始まるのは新しい在留期間が決まってからであると言われました。という事は、ものすごく長い期間マイナンバーカードが未携帯(手続きのタイミングで窓口で預かってしまう為。)となってしまいます。


2023年4月4日、再び怒りを感じクレームを伝えなければと思いました。マイナンバーカード総合フリーダイヤルを再び案内されたため、電話をしても意味がないと思いつつも電話をし、再び上席を上申をしていただくと信じざる得ない状況になりました。


ここで、重要な事をご理解いただきたい。外国人は、日本においてマイノリティーとなっています。総人口の約2%となっております。在留期間の更新のある外国人に絞りますとその数が更に減り、クレームを日本語で言える事が条件となりますと0%に近い数字になってしまいます。業務委託的な総合窓口で集めたクレームが響く訳がありません。だからこそ、逃げ道の無い然るべき機関によるクレーム収集が重要であります。


今回は、されだけでは不十分と思いブラジル大使館や領事館に電話をしてみる事にしました。現在のマイナンバー制度は、在留期間の更新を必要とする外国人全員に対し人権侵害(差別)であると説明をし、何処かクレームを伝えられるところへの案内をお願いしました。電話に出てくれた方は、マイナンバー(個人番号)制度に詳しくない為、おしゃってくれた事が全て事実であるかの確認が出来ませんが事実であればこれは確かにおしゃる通り、在留期間の更新を必要とする外国人全員に対する人権の侵害だと個人的に感じますと共感していただきました。そこでみんなの人権110番(0570-003-110)を教えてもらい、2023年4月7日にお電話をする事にしました。電話に出てくれた担当がお話を全て親身に聞き、確かに人権問題にかかわる内容だと個人的に思いますが人権侵害を行っているのが人であれば簡単に対応ができるものの、制度となると出来る事がありませんと言われました。


このまま諦める訳にはいかないと思い、インターネット上で調べを続けていると行政苦情110番(0570-090-110)を見つけ、2023年4月12日にお電話をしてみる事にしました。再び困りごとの内容を全て説明をし、みんなの人権110番で取り扱う事が出来ませんでした旨もお伝えしました。親身に話を聞いていただいた担当の方によると残念ながらその窓口で取り扱える案件ではないと言われました。であれば、せめて然るべき機関にクレームとしてこれらの内容を申し上げたいので然るべき機関がどこになるか教えていただけないかと相談をしてみたところ、総務省の住民制度課のマイナンバー支援室(03-5253-5111)ではないかと案内されました。そこに電話をしてみたところ、再びすべての内容を説明し、そこではないと言われ、然るべき機関としてデジタル庁(03-4477-6775)を案内されました。


デジタル庁に電話をすると次の通りと回答されました。

「こちらとしましては、マイナンバー制度関係につきまして全てマイナンバー総合フリーダイヤルの方に一任しています。もし、ご意見ですとかご要望がある様でしたらホームページから頂く様になっております。どうしてもであればこちらで受けまして、中で共有させていただきます。」


こうして、2023年4月12日に長い道のりの末ようやく然るべき機関にクレームが辿り着いた事になりました。ここまでに記載してある通りの内容を全てデジタル庁の担当の方にクレーム(ご意見・ご要望)としてお伝えし、中で共有していただいているはずとなっております。少なくとも、「そのようなお話を聞いておりません。」と言えない事になります。


あとは、何か変わるか長い目で待つ事になりますが期待をしながら待ちたいと思います。



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