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ヤングケアラー支援者向け啓発映像の制作に、出演者・専門アドバイザーとして参加しました

株式会社 PUTZ Network プツ・ネットワーク
株式会社 PUTZ Network プツ・ネットワーク

私、株式会社 PUTZ Network プツ・ネットワーク代表取締役社長の川西ケンジは、このたび長野県社会福祉協議会よりご依頼をいただき、長野県が教職員向け研修教材として制作するヤングケアラー理解促進映像の制作に参加しました。外国にルーツを持つ家庭において「親の通訳を担う子ども」の実情に関する専門アドバイザーとして制作に携わるとともに、映像では外国人家庭の父親役として出演しました。


今回の映像は、学校現場で働く教職員の皆様にヤングケアラーへの理解をより深めていただくことを目的として制作されています。学校の先生方は日々、授業や生徒指導、保護者対応など多忙な業務を抱えており、まとまった研修時間を確保することが容易ではありません。そのような現状を踏まえ、長野県社会福祉協議会では長野県と協議を重ね、約10分間の映像教材を制作し、ヤングケアラーを紹介するリーフレットに掲載されたQRコードから、いつでも視聴できる形で活用することになりました。文字や講義だけでは十分に伝えきれない当事者の思いや日常、周囲が気付くべきサインを映像で伝えることで、教育現場における理解を深めることが期待されています。


今回、監督を務められたのは映画監督の祝大輔監督です。祝監督は、映画『猫と私と、もう1人のネコ』をはじめ、人と人との繊細な感情や若者が抱える葛藤を丁寧に描く作品を数多く手掛けられてきました。その映像表現は高く評価されており、社会課題をテーマにした作品制作にも積極的に取り組まれています。また、昨年には滋賀県で開催されたヤングケアラーキャンプにおいても同様の映像制作を担当されており、ヤングケアラーの実情を深く理解したうえで作品づくりに取り組まれています。今回の撮影でも、一人ひとりの当事者の声に真摯に耳を傾けながら、リアリティを何よりも大切にされる姿勢が非常に印象的でした。


映像では、「親や祖父母の介護を担う子ども」「障害のあるきょうだいを支える子ども」、そして「外国にルーツを持つ家庭で親の通訳を担う子ども」という三つのケースが取り上げられています。私は、このうち「親の通訳を担う子ども」のケースについて、これまで行政・教育・医療・福祉など様々な現場で外国人支援に携わってきた経験を踏まえ、専門的な立場から制作に協力させていただきました。


外国人家庭では、子どもが幼い頃から親に代わって学校との連絡、病院での説明、行政手続き、生活相談などで通訳を担う場面が決して珍しくありません。しかし、その役割は家庭の中では「当たり前」と受け止められやすく、周囲からも見えにくいため、本人が大きな精神的負担や責任を抱えながら生活していることに気付かれないケースも少なくありません。近年、「ヤングケアラー」という言葉は広く知られるようになりましたが、介護だけではなく、このような言語的・文化的なサポートを日常的に担う子どもたちの存在についても、社会全体で理解を深めていく必要があると私は考えています。


制作にあたっては、単に出演するだけではなく、外国人家庭で実際に起こり得る親子の会話や家庭内の雰囲気、子どもが感じる責任感や葛藤などについて、監督や制作スタッフの皆様と何度も意見交換を重ねました。教育現場で活用される教材だからこそ、現実とかけ離れた表現ではなく、「実際にあり得る」「現場で本当に起きている」と感じてもらえる内容であることが重要です。そのため、一つひとつの場面設定や登場人物の言動についても、これまで現場で見聞きしてきた経験をもとに助言をさせていただきました。


私自身は外国人家庭の父親役として出演しましたが、今回の撮影は一般的な映画やドラマのように細かな台本どおりに演じるスタイルではありませんでした。当事者の経験をもとに設定された状況の中で、それぞれの出演者が役として自然に考え、感じ、その場で生まれる言葉や感情を大切にするアドリブ形式で撮影が進められました。そのため、相手の表情や言葉を受け止めながら演技を組み立てていく必要があり、非常に緊張感のある撮影となりました。


今回の撮影で特に印象に残ったのは、参加者の皆さんの作品に対する熱意です。撮影が始まると現場の空気は一変し、出演者全員が真剣に役と向き合い、それぞれが作品をより良いものにしようという強い思いで演技に臨んでいました。「演じる」というよりも、その人物として本当にその場で生活しているかのような自然さがあり、私自身も何度も相手の演技に引き込まれました。撮影が進むにつれて、ここが学校の一室であることを忘れ、本物の映画撮影現場にいるような感覚になるほど、現場全体の熱量は非常に高いものでした。


また、出演者一人ひとりの演技力の高さにも大変驚かされました。相手の感情を丁寧に受け止め、その場で自然に反応し、自分自身の言葉として返していく。その一つひとつが非常にリアルで、私自身も「演じている」という感覚を忘れてしまう瞬間が何度もありました。当事者の経験や思いを尊重しながら、一人ひとりが作品に真剣に向き合い、それぞれが持てる力を最大限に発揮しようとしていた姿勢は、この作品の大きな魅力の一つであると感じています。


撮影は7月28日に豊野高等専修学校で行われました。当日は午前中にヤングケアラー当事者同士の交流会が行われ、それぞれがこれまでの経験や思いを率直に語り合い、お互いを理解し合う貴重な時間となりました。その後、学校施設や近隣施設を活用しながら、本格的な撮影がスタートしました。当事者同士が十分に信頼関係を築いた上で撮影に臨んだからこそ、映像全体にも自然な空気感と高い説得力が生まれたのではないかと感じています。


このような意義あるプロジェクトに参加させていただけたことを、大変光栄に思っています。外国にルーツを持つ家庭で親の通訳を担う子どもたちの存在や、その子どもたちが抱える見えにくい負担については、まだ社会全体で十分に認知されているとは言えません。この映像が、多くの教職員や支援者の皆様にとって新たな気付きとなり、一人でも多くの子どもたちが必要な支援につながるきっかけになることを願っています。


私はこれからも、株式会社 PUTZ Network プツ・ネットワークの代表として、多文化共生の現場で培ってきた経験と知見を社会へ発信し続けるとともに、外国にルーツを持つ子どもたちを含め、誰もが安心して暮らし、成長できる地域社会の実現に向けて取り組みを続けてまいります。


株式会社 PUTZ Network プツ・ネットワーク
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