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永住許可に関するガイドライン改訂(令和8年2月24日)

株式会社 PUTZ Network プツ・ネットワーク
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2026年2月24日(令和8年2月24日)、法務省は「永住許可に関するガイドライン」の改訂版を公表しました。これまで適用されていたのは、2023年12月1日(令和5年12月1日改訂)版のガイドラインです。


今回の改訂により、新しい運用指針が正式に適用されることになります。永住許可の基本的な枠組み自体に大きな変更はありませんが、実務上重要となる点がいくつか明確化・整理されています。以下に、改訂後の公式ガイドライン全文を掲載します。


永住許可に関するガイドライン(令和8年2月24日改訂)


1 法律上の要件


(1)素行が善良であること 法律を遵守し日常生活においても住民として社会的に非難されることのない生活を営んでいること。

(2)独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること 日常生活において公共の負担にならず、その有する資産又は技能等から見て将来において安定した生活が見込まれること。

(3)その者の永住が日本国の利益に合すると認められること

ア 原則として引き続き10年以上本邦に在留していること。ただし、この期間のうち、就労資格(在留資格「技能実習」及び「特定技能1号」を除く。)又は居住資格をもって引き続き5年以上在留していることを要する。

イ 罰金刑や拘禁刑などを受けていないこと。公的義務(納税、公的年金及び公的医療保険の保険料の納付並びに出入国管理及び難民認定法に定める届出等の義務)を適正に履行していること。 ※ 公的義務の履行について、申請時点において納税(納付)済みであったとしても、当初の納税(納付)期間内に履行されていない場合は、原則として消極的に評価されます。

ウ 現に有している在留資格について、出入国管理及び難民認定法施行規則別表第2に規定されている最長の在留期間をもって在留していること。

エ 現に有している在留資格について、法務省令で定める上陸許可基準等に適合していること。

オ 公衆衛生上の観点から有害となるおそれがないこと。

※ ただし、日本人、永住者又は特別永住者の配偶者又は子である場合には、(1)及び(2)に適合することを要しない。また、難民の認定を受けている者、補完的保護対象者の認定を受けている者又は第三国定住難民の場合には、(2)に適合することを要しない。  


2 原則10年在留に関する特例


(1)日本人、永住者及び特別永住者の配偶者の場合、実体を伴った婚姻生活が3年以上継続し、かつ、引き続き1年以上本邦に在留していること。その実子等の場合は1年以上本邦に継続して在留していること

(2)「定住者」の在留資格で5年以上継続して本邦に在留していること

(3)難民の認定又は補完的保護対象者の認定を受けた者の場合、認定後5年以上継続して本邦に在留していること

(4)外交、社会、経済、文化等の分野において我が国への貢献があると認められる者で、5年以上本邦に在留していること  ※「我が国への貢献」に関するガイドラインを参照してください。

(5)地域再生法(平成17年法律第24号)第5条第16項に基づき認定された地域再生計画において明示された同計画の区域内に所在する公私の機関において、出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の規定に基づき同法別表第1の5の表の下欄に掲げる活動を定める件(平成2年法務省告示第131号)第36号又は第37号のいずれかに該当する活動を行い、当該活動によって我が国への貢献があると認められる者の場合、3年以上継続して本邦に在留していること

(6)出入国管理及び難民認定法別表第1の2の表の高度専門職の項の下欄の基準を定める省令(以下「高度専門職省令」という。) に規定するポイント計算を行った場合に70点以上を有している者であって、次のいずれかに該当するもの

ア 「高度人材外国人」として必要な点数を維持して3年以上継続して本邦に在留していること。

イ 永住許可申請日から3年前の時点を基準として高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に70点以上の点数を有していたことが認められ、3年以上継続して70点以上の点数を有し本邦に在留していること。

(7)高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に80点以上を有している者であって、次のいずれかに該当するもの

ア 「高度人材外国人」として必要な点数を維持して1年以上継続して本邦に在留していること。

イ 永住許可申請日から1年前の時点を基準として高度専門職省令に規定するポイント計算を行った場合に80点以上の点数を有していたことが認められ、1年以上継続して80点以上の点数を有し本邦に在留していること。

(8)特別高度人材の基準を定める省令(以下「特別高度人材省令」という。)に規定する基準に該当する者であって、次のいずれかに該当するもの

ア 「特別高度人材」として1年以上継続して本邦に在留していること。

イ 1年以上継続して本邦に在留している者で、永住許可申請日から1年前の時点を基準として特別高度人材省令に規定する基準に該当することが認められること。  


(注1)令和9年3月31日までの間、在留期間「3年」を有する場合は、前記1(3)ウの「最長の在留期間をもって在留している」ものとして取り扱うこととする。令和9年3月31日の時点において在留期間「3年」を有する者については、当該在留期間内に処分を受ける場合、その初回に限り前記1(3)ウの「最長の在留期間をもって在留している」ものとして取り扱う。

(注2)前記1(3)エの「法務省令で定める上陸許可基準等」とは、「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令」で定める基準のほか、「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の規定に基づき同法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動を定める件」(特定活動告示)又は「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の規定に基づき同法別表第二の定住者の項の下欄に掲げる地位を定める件」(定住者告示)に該当するとして在留を許可されている場合は、それらの告示で定める要件をいう。

(注3)前記2(6)アの「高度人材外国人」とは、ポイント計算の結果70点以上の点数を有すると認められて在留している者が該当し、前記2(7)アの「高度人材外国人」とは、ポイント計算の結果80点以上の点数を有すると認められて在留している者が該当し、前記2(8)アの「特別高度人材」とは、特別高度人材省令に規定する基準に該当すると認められて在留している者が該当する。


【改訂ポイントの整理と実務上の影響】今回の改訂で何が変わったのか


2026年2月24日に公表された永住許可ガイドライン改訂版は、制度の根幹を変更するものではありません。永住許可の基本三要件(素行・生計・国益)は従来どおり維持されています。


しかし、審査運用の明確化という観点から、いくつか重要なポイントが整理されました。


① 公的義務履行の評価基準の明確化


税金および社会保険料の納付状況について、

  • 納付の有無だけでなく

  • 「納期限内に適切に履行されているかどうか」

が審査対象であることが、より明確に示されました。


過去に未納や遅延があった場合、現在完納していても、その履歴が総合的判断の対象となる可能性があります。


これは新たな義務の追加というより、審査の観点を明文化したものと位置付けられます。


② 在留期間「3年」に関する経過措置


従来、永住申請にあたっては「現に有している在留資格の在留期間が最長期間であること」が求められていました。


今回の改訂では、2027年3月31日までに申請する場合に限り、在留期間「3年」も最長期間として取り扱う旨が明記されました。


これは特に、定住者など3年の在留期間を有する外国人にとって、申請機会の拡大につながる措置といえます。


ただし、あくまで期限付きの経過措置である点には注意が必要です。


③ 法令基準適合性の整理


在留資格ごとに定められた上陸許可基準(法務省令および告示)への適合が必要であることが、体系的に整理されました。


これも実務上既に運用されてきた基準を文書上明確化したものであり、新しい条件の追加ではありません。


永住申請を検討している外国人が確認すべき点


1. 税金・社会保険の履行状況の確認

申請前に以下を確認することが重要です。

  • 住民税の納付状況

  • 年金保険料の納付状況

  • 健康保険料の納付状況

  • 過去の納付遅延の有無


特に「期限内納付」であったかどうかが、今後より重視される可能性があります。


2. 在留期間の確認と申請時期の検討


現在在留期間3年の方は、2027年3月31日までの経過措置の対象となります。


将来的な制度変更の可能性も踏まえ、申請時期については計画的に検討することが望まれます。


3. 総合的な在留実績の確認


永住許可は単一条件で判断されるものではなく、以下のような要素が総合的に評価されます。


  • 在留期間の継続性

  • 就労状況の安定性

  • 扶養状況

  • 法令遵守状況


形式的要件を満たすだけでなく、在留実績全体を整えておくことが重要です。


まとめ


今回の改訂は、制度の枠組み自体を変更するものではありません。


一方で、

  • 公的義務履行の評価の明確化

  • 在留期間3年に関する期限付き特例

といった実務上重要なポイントが整理されています。


永住許可を検討している外国人にとっては、制度の正確な理解と事前準備がこれまで以上に重要となる改訂といえるでしょう。


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