長野県多文化共生相談センターは、令和元年(2019年)10月1日、県内に在住する外国人及び外国人を雇用する事業者等が必要とする情報や相談場所に迅速に到達できるよう、情報を一元化し発信するためのWebサイトが作成されたと共に、多文化共生相談センターが正式にオープンされました。
長野県多文化共生相談センター: https://www.naganoken-tabunka-center.jp/
令和5年(2023年)1月10日に長野県多文化共生・パスポート室に電話をし、多文化共生に関してこれまでどのような活動をしてきたかを確認しました。
確認をすると令和 2 年(2020 年) 3月に長野県が発行した「長野県多文化共生推進指針 2020」には、主な施策として31項目に加え、その他3つの項目が施策目標として挙げられていますが続く3年間で行われた主な取り組みが非常に少ない事が印象に残りました。
長野県多文化共生推進指針 2020に記載されている「外国人等の活躍・交流活動の推進(施策の柱)」の主な施策として「活躍している外国人・団体のPR」という項目がありました。
そこには、次の通りの記載があります。
「主な施策8
活躍している外国人・団体のPR
◇ 次世代を担う子どもから大人まで、外国人の活躍を支援するためには、外国人の発想を活かした地域 づくりや、活躍している外国人や団体について積極的に発信していくことが必要です。
○ 県では、外国人が活躍できる社会づくりをより一層進めるため、外国人コミュニティ等と積極的に意見交 換し施策に活かします。
また、多文化共生の推進に顕著な功績が認められる個人や団体について積極的に表彰を行い、活躍を 支援します。
その他、活躍している外国人や団体について、長野県多文化共生相談センターのホームページ等で積極的に情報発信するとともに、事例共有の場を提供します。」
実際に長野県多文化共生相談センターのホームページで確認をすると非常に残念な事実を目の当たりにする事になりました。長野県多文化共生相談センターのホームページには、長野県多文化共生推進指針 2020に記載されている活躍している外国人・団体のPRが行える為のページが存在していましたが長野県多文化共生相談センターがオープンしてから3年以上、長野県多文化共生推進指針 2020が発行されてから約3年が経っているのにもかかわらず放置状態でした。
上記の画像(長野県多文化共生相談センターのホームページ・長野県で活躍中の外国人ページのスクリーンショット)にて確認が出来る通り、6名の外国人が載っておりました。一見すると問題が無いように思えますが載っている外国人全員の名前に見覚えがあったので調べて見ると思っていた通りの結果を確認いたしました。全員が「公益財団法人長野県国際化協会」や「長野県多文化共生相談センター」の職員でした。
即ち、関係者でしたがそれ自体に問題がある訳ではございません。
ホームページを作成するに当たり、こういったケースは意外に例外ではありません。載せる情報が少ないスタート時だからこそ関係者を載せるのが一般的であると言えます。
数年が経った後に未だに新しい外国人の紹介をしていない現状に問題があります。
長野県が発行した長野県多文化共生推進指針 2020に記載されている「外国人等の活躍・交流活動の推進(施策の柱)」の主な施策として「活躍している外国人・団体のPR」という項目の中に「活躍している外国人や団体について、長野県多文化共生相談センターのホームページ等で積極的に情報発信するとともに、事例共有の場を提供します。」とあるのにも関わらず、放置状態でした。
一度お電話でお話をしたことで何かが変わるかを確認する目的で一先ず6ヶ月ほど時間を置く事にしました。
7月に入り、長野県多文化共生相談センターのホームページ・長野県で活躍中の外国人ページに新たな外国人の紹介がまだ無い事を確認したので、自身を紹介して欲しいと頼み、担当はその依頼に素直に応じていただきました。8月上旬に記載する為のデータを担当にお送りし、約2週間ほどで掲載されました。
これを機会により多くの外国人が紹介され、多文化共生に関わる施策が一つでも多く現実味を帯びて行く事を願い、今後も努力して参ります。
尚、せっかく長野県多文化共生相談センターのホームページ・長野県で活躍中の外国人ページに掲載されましたので皆様にご確認いただければ幸いです。
このまま閲覧したい方々の為に画像としても共有させていただきます。
最後に、画像では翻訳ソフトが使えにくい事もありますので下記にて文書形式でも共有させていただきます。
長野県で活躍中の外国人
川西 ケンジさん
初めまして。ブラジル国籍・三世ハーフの川西ケンジと申します。2000年頃、父と義母と共に出稼ぎとして日本語が全く分からない状態で来日し、様々な形態で仕事をしながら生活をしてきました。派遣社員、アルバイト・パート、正社員、団体職員・役員、会社経営・役員と様々な経験をしながら日本で生活し、新たな形の多文化共生社会の実現を目的として全力を尽くしています。岡谷市で家を購入しており、妻と義妹2人の4人で生活をしています。日本で生まれ、成人し、他県で働きに出た息子がいます。息子には、言語的問題がそれほどありませんでしたけれど保育園児・小学生時代、文化的違いによる様なトラブルに巻き込まれ、私の多文化共生精神の源とも言えるでしょう。様々な都道府県・市区町村に住んだ事があり、長野県の個人的に感じる魅力にひかれ、とどまっています。
名前:川西 ケンジ
滞在年数:23年
出身国:
ブラジル連邦共和国:
ブラジルは、異人種間 の 混淆と混血 がとても目立つ国。
あらゆる国々の人々が移民し、多文化共存とは何か分かりやすい国です。一つの国の中に様々な文化が存在し、混じり合う部分が ありながらも完全に混じり合わない様々な社会が衝突しつつも共存している地 、その最大の特徴として現れるのは、ブラジル人とは何か、ブラジル文化とは何か、固定概念で語る事が出来ないこと自体です。 ブラジルの「多文化共存」を念頭に置きながら日本で「多文化共生」を目指す所存です。
趣味:
多文化共生社会の実現を目的とした活動が趣味です。日本において現在、多文化共生とは何か具体的に定義がある訳ではなく、実現が見込められない状態であると痛感しています。多文化共生社会の実現に欠かせないのは多様性でありますが、型にはまったやり方以外の考え方が認められず、多様性に欠けている多文化共生推進運動が進行中であると感じています。新たな視点で多文化共生を目指す必要があると思っています。多文化共生活動を仕事としての他、趣味としても目指しているから如何なる時でも全身全霊で全力を尽くしています。
私の好きな長野県:
長野県は、丁度良い県だと感じています。大渋滞や人混みに悩まされることなく生活が出来るがする事に対する選択し無さで困る事もありません。長野県の北から南まで丁度良い具合に大き目な市があり、その間に小さめな市町村があります。車さえあれば何処に住んでも完全に孤立する事なく、田舎暮らしも都会暮らしも味わえる県だと思います。外国人にとって住みやすくないですが本気で目指せば全都道府県の中で最も多文化共生社会の実現が出来る可能性を秘めている県だと思います。現在のやり方では非現実的だと思いますが実現する為の条件が最も揃っている場所というところが大好きと言えます。
私の好きな日本語:
ほとんどの外国人から見て日本語は、とても曖昧な言語となっています。それは、日本の文化自体も曖昧で成り立つからであると認識しています。第一印象としてその曖昧さが悪いと感じましたが日本語をマスターしていくにつれて好きになってきました。これほど都合の良い言語がないと思います。もちろん、その曖昧さに苦しめられる事もありますが上手に使えればこれほどに楽な言語がないと思います。そんな訳で大好きな日本語が「暗黙の了解」や「八方美人」、「適当」や「いい加減」、「なるほど」や「大丈夫」、「やばい」や「すみません」、「お邪魔します」や「ご迷惑をおかけします」と言えます。
プロフィール:
現在、日本における(長野県を含む。)多文化共生推進事業は、主に行政・公益財団・社団法人やNPO法人等、ボランティアによって進められており、外国籍住民に対する支援(特に言語支援。)が主な事業内容となっております。総人口の約2%しかない外国籍住民に対し行われる支援の為、非常に少ない予算で進められているという事実もあり、民営化しなければ持続可能どころか、実現自体が非現実的であると感じておりました。多文化共生の実現を取り巻く問題を新たな視点で見つめ直し、多文化共生社会の実現を目的とした会社を設立し、多言語サポート支援サービスで多文化共生を実現する会社「株式会社 PUTZ Network プツ・ネットワーク」の代表取締役社長を努めています。警察、法廷、弁護士などとしての登録もしており、諏訪警察署協議会等の様々な協議会の委員としても経験しています。詳しくは、下記のリンクをどうぞ。
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